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離婚の基礎知識⑭ ~慰謝料について その2~(慰謝料の算定要素、慰謝料の相場など)

2017.09.12

    慰謝料の算定については、算定式のようなものはなく、双方の有責性や婚姻期間、未成年の子供の有無、経済状態、離婚後の状況など一切の事情を考慮して判断されます。

≪慰謝料の算定要素と慰謝料の額に関する傾向≫

① 破綻を招いた有責行為の態様・程度・期間

       有責性が高いほど高い

② 精神的苦痛の程度

  精神的苦痛や肉体的苦痛が激しいほど高い

③ 婚姻期間と当事者の年齢

       婚姻期間が長く、年齢が高いほど高い

④ 未成年の子供の有無

       未成年の子供いる方が、いない場合よりも高い

⑤ 当事者の支払い能力と社会的地位

       有責配偶者に資力があり社会的地位が高いほど高い

⑥ 支払いを受ける側の離婚後の扶養の必要性

       無責の配偶者の資力がないほど高い

⑦ 財産分与の状況

       財産分与による経済的充足がある場合に低い

                            

    一般的な慰謝料の相場としては、不貞行為があった場合は100万円~200万円、さらにそれが原因となって離婚する場合は、合わせて200万円~400万円くらいです。

    この相場を基準として、例えば、婚姻期間が長い場合や、夫が外に子供を作っていた場合などの事情があれば慰謝料が増額され、ダブル不倫など慰謝料を請求している妻の側にも問題があれば減額されたり慰謝料が認められなくなったりするわけです。

    「パートナーの浮気で相当つらい思いをしてきたから慰謝料を1000万円請求したい!」と思っていても、裁判で相場から大きく離れた金額が認められるのは、「支払う側に十分な資力がある」、「長期にわたる不貞事実がある」といった極めて稀なケースのみに限られると思ったほうがいいでしょう。

    しかし、夫婦の協議や調停によって慰謝料の額を決める場合は、慰謝料も交渉の要素を多く含んでおり、場合によっては、裁判で認められる金額よりも多額の慰謝料を支払わせることができる場合もあります。

    例えば、夫が別居している妻に婚姻費用を支払わなくてはならない場合、慰謝料の金額で揉めて離婚協議が長引いてしまうと、結局は合計の支払額が多くなってしまうということになりかねないので、このような場合は、慰謝料の金額に納得しなくても相手の要求額を支払う可能性が高いと思われます。

    また、有責配偶者が離婚を望んでいるが、裁判になると離婚が認められない可能性が大きい場合は、相場より高い慰謝料でも相手の要求する額を支払うことが多々あるようです。

               



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