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離婚の基礎知識② ~不貞行為を立証する証拠~

2017.02.10

 前回の投稿で、不貞行為とは

  「自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を結ぶこと」

であり、裁判で離婚原因として認められるためには、その不貞行為について

  「ある程度の継続性が必要」

であるとご説明しました。

 では、実際に裁判において不貞行為があったと認定されるためには、何が必要なのでしょうか。

 いくら浮気を疑うメールや写真があっても、パートナーが浮気相手と性交渉をしたという証拠がなければ、「『浮気はしていない』と開き直られ、裁判で争うことになるも証拠不十分で慰謝料どころか離婚することができなかった」といったことになりかねません。

 証拠があれば、パートナーも観念して態度が軟化したりすることが多々あり

  ・相手が浮気を認め、素直に慰謝料の支払いに応じた

  ・裁判で争うも浮気調査による報告書が決定的な証拠となり、

   慰謝料等こちらの要求どおりの離婚が成立した。

となります。

 離婚を考えていない場合でも、客観的な証拠を集めることで、事実関係を確認するのは無駄なことではありません。 

  その証拠とは、不貞行為そのものの証拠(例えば性行為の最中を撮影した写真)までは必要ではなく、

があればよいとされています。

 つまり、誰が考えてもかなりの確率で不貞行為があったであろうということが立証できる証拠ということです。

 パートナーと浮気相手が二人揃ってラブホテルや浮気相手の自宅などに入っていくところの写真や動画があり、一定時間経過後に、そこから二人が出てくるところの写真等があれば、二人でそこにある程度の時間いたことが証明できるので、決定的な証拠だといえます。

    

 【証拠となるもの】

  ・二人そろってのラブホテルの出入りの写真や動画

  ・相手宅出入りの写真や動画

  ・性交渉が確認できる写真

【証拠とならないもの】

  ・浮気相手とのメール履歴

  ・浮気相手とのツーショット写真

  ・ラブホテルのポイントカードや領収書

  領収書、レシート、カード明細は、それのみで浮気を立証するのは難しいですが、他の証拠と合わせれば、有効な証拠となる場合があります。

 例えば、ラブホテルに行った領収書があったとしても、「疲れてたから一人で行って寝てただけ」と言い訳されたとします。しかし、ラブホテルの領収書と領収書発行時刻の数分後に撮影した異性と腕を組んで歩いている写真などがあれば、証拠として認められる可能性は高いです。

 また、「今日は仕事」と言って外出した日に、会社とは全然違う場所にあるレジャー施設のレシートや二人分の食事したレシートなどが出てくれば、不貞行為の直接証拠とはいえませんが、矛盾を証明することはできるので、間接証拠として役立ちます。

       

 パートナーが浮気相手とラブホテルに入った瞬間をおさえたとしても、「他人に聞かれたくないからということで、ホテルで悩みの相談を聞いていた」と言い訳をする場合が考えられます。

 人に聞かれたくないならば、車内やカラオケボックスなどいくらでもそのような環境があるわけですから、実際にはそのような言い訳は裁判所で認められない可能性が高いですが、その証拠が1回だけではなく複数回あれば、そのような言い訳は誰が聞いても納得するわけがなく、不貞行為がなかったと疑う余地はありません。

 また、浮気相手の自宅に泊まった場合には、「他にも友達がいて、一緒にパーティーをしていた」などと主張することが考えられますので、そういった主張を否定するためにも、やはり複数回の浮気相手の自宅への出入りが必要になるわけです。

    



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