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離婚の基礎知識⑰ ~財産分与について その1~(対象となる財産、財産分与の種類、財産分与のタイミング)

1.清算の対象となる財産

 婚姻中の夫婦の財産には、①特有財産、②共有財産、③実質的共有財産に分類することができます。

 財産が、特有財産、共有財産、実質的共有財産かは、取得の際の原資、取得した財産の維持管理の貢献度等を考慮して判断しなければなりませんが、特段の事情がない場合には夫婦の共有財産に属すると判示した判例があります。

 

①特有財産

 婚姻前から各自が所有していた財産、婚姻中に取得した財産であっても、一方が相続、贈与等、他方配偶者と無関係に取得した財産、各自の装身具等社会通念上各自の専用品と認められるもの及びこれらからの収益などです。

 特有財産は、財産分与の対象とならないのが原則です。しかしながら、他方配偶者の協力ないし貢献により、特有財産が維持され、その減少が防止された場合には、一定の限度で清算の対象とすることが認められています。

 

②共有財産

 夫婦が共有名義で取得した財産、婚姻中その共同生活のために購入した家財道具などです。

 

③実質的共有財産

 名義は夫婦の一方に属するが、実質的に夫婦の共有とみるべきものです。

            

 

2.財産分与の種類

 財産分与とは、夫婦が婚姻中に築いた財産を離婚に際して分けることを言います。

 財産分与は、その性質によって①清算的財産分与 ②扶養的財産分与 ③慰謝料的財産分与に分類することができます。

 

①清算的財産分与

 清算的財産分与とは、財産分与の最も基本的な考え方であり、夫婦が婚姻中に協力して築き上げた共有財産をそれぞれの財産形成に貢献した割合に応じて分けることを言います。

 つまり、それぞれがどのくらい財産形成に貢献したかという「寄与度」を基準とし、夫婦の財産を分けるのです。

 一般的な家庭では、夫が家計収入の多くを得ているので、「夫の寄与度が大きくなる」と思うかもしれませんが、妻の家事に対する貢献なども寄与度として加味され、原則として夫婦の財産形成への寄与度は等しいものと考えられ、各自二分の一ずつの寄与度があったと解釈されます。

 例外的に、どちらかの職業が会社の経営者やプロスポーツ選手などで、自らの才覚によって非常に高額な収入を得ているといった特殊な事情がある場合は、ケースバイケースで寄与度を検討することになります。

 

②扶養的財産分与

 扶養的財産分与とは、清算的財産分与や慰謝料だけではどちらか一方の配偶者が経済的に困窮するようなときに、経済的に弱い立場の配偶者が独り立ちをしていく間の援助として給付される財産分与を言います。(清算的財産分与、慰謝料により生計を維持するに足りる財産を取得することができれば必要性が認められません。)

 例えば、高齢であったり、配偶者の一方が重い病気を患っている場合や離婚後直ちに自立する仕事を見つける必要がある場合で清算的財産分与がない場合など離婚後直ちに自立することが困難な配偶者を支援する必要がある場合に認められ、「再婚するまで」「就職するまで」というようにそれぞれの状況に応じ一定の期限を付けて給付されます。

 そのため現金で支給されることが多く、支払い方法も一括というよりも「毎月〇万円を支払う」というかたちで給付されることが多いです。

 支払われる期限は、通常3年程度といわれていますが、75歳になる妻に扶養的財産分与が認められ、10年間扶養額を支払うよう夫に命じた判例もあります。

 扶養的財産分与では、分与の義務を持つ配偶者に扶養能力があるかどうかが問題とされるため、夫婦財産がなくても、その配偶者が単独で持つ財産が分与の対象となることがあります。

 また、分与の義務があっても資産がなく、自分自身の生活が成り立たなくなる場合には扶養の額や期限を限定したり、扶養的財産分与を認めないこともあります。

 

③慰謝料的財産分与

 慰謝料的財産分与とは、離婚の原因をつくった配偶者が慰謝料の意味合いを含めて給付する財産分与です。

 基本的に、慰謝料は財産分与とは別の問題として話し合いをするのですが、「財産分与に離婚による慰謝料を含めることができる」とされているので、相手が頑なに「自分は悪くない。慰謝料という名目では払わない」というように、その名目にこだわる場合には、柔軟な解決を図るため、慰謝料という名目は避けて、財産分与の内容として慰謝料相当額を盛り込むことがあります。

 

               

 

3.財産分与のタイミング

 財産分与は、離婚後2年以内にしなければならないと法律で定められています。

 その期間を過ぎると財産分与は請求できなくなるので、注意が必要です。

 通常、財産分与は、離婚協議と並行して進めます。財産分与を求める側としては、離婚の交渉を有利に進めるという点からも、財産分与は離婚協議と並行して進める場合が多いでしょう。

 暴力行為(DV)が原因で離婚する場合など、財産のことは置いておいて、とにかく離婚ることを先行させなければならない場合は、離婚後に財産分与を申し立てる必要があります。

 

 

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